【考察】競技かるたの上達に筋トレは必要なのか?

競技かるたは「畳の上の格闘技」とも呼ばれ、百人一首の雅のイメージとは正反対の激しい動きをします。実際、競技かるたを題材とした漫画「ちはやふる」では主人公の千早たちが競技かるた部の活動の一つとして、ランニングをしたり、体幹を鍛えるトレーニングをする描写があります。

(体力をつけるためにランニングをする千早たち)

となると気になるのが「競技かるたを強くなるためには、筋力トレーニング(筋トレ)をしないといけないのか?」という事ですよね。今回は競技かるたと筋トレの関係について話していきます。

 

腕の力はそれほど必要にならない

競技かるたでは写真(↑)の様にとても激しい動きをします。そのため、初心者の人や競技かるたをやったことのない人は「かるたが強くなるためには腕力が必要」と勘違いをしてしまいます。しかし、実際には札を払うときに大抵の場合それほど力は使わずに軽く取っています。試合の終盤に「あの1枚を絶対に取るんだ!」という場合にはもしかしたら腕に力を入れたほうが少し早く取れるかもしれませんが、場の札の枚数が多い場合、変に腕に力みがあると予想と違う場所の札が出たときに逆に動けなくなってしまい不利となるのです。そのため意外にも実力のある選手になればなるほど腕に必要以上の力は入れていないのです。

 

実際腕力のある人は多くない(気がする)

実際競技かるたの選手を見てみると、いかにもスポーツマンって感じのムキムキの人はそれほど多くなく(いるにはいる、恐怖!)、どちらかというと痩せている人の方が多いです。ちはやふるで言うとヒョロくんみたいな人が多い印象。

仮に腕力があることが競技かるたで有利に働くのであれば、女子選手と男子選手が同じ様に試合をすることはできませんよね。でも実際には競技かるたの勝敗に性別での有利不利はほぼありません。まあ腕力がある人はある人で、それを活かした戦い(1音目で札を囲って強い腕でガードするなど)すれば良いですし、腕力のない人でも手を低くするなどの戦い方でどうにでもなるということです。

 

必要なのは体幹の持久力

とは言え競技かるたをする上で全く体力・筋力が不要というわけではありません。競技かるたでは畳の上で長時間前傾姿勢を取ることが前提となります。頭が自陣の上段よりも相手側に出ることは許されていない一方、後ろに下がりすぎている姿勢だと敵陣の下段を素早く取ることはできません。そこで、選手は自陣の上段の上あたりに頭が来る前傾姿勢をとりますが、この姿勢をずっと続けるのは地味に疲れます。大会では1試合が約1時間半、最大7試合するので合計で10時間以上もこの前傾姿勢を続けなければなりません

もちろん、疲れてきて良い姿勢で取ることにいっぱいいっぱいとなってしまえば、その分音への集中や暗記に悪影響が出るのはいうまでもありません。大会で勝ち抜くことを考えればある程度の体幹の筋力は必要になってくるかなと思います。

 

どんなトレーニングをしたら良いのか

では実際にどんなトレーニングをしたら良いのか。かるたの試合をしていく中で自然と鍛えられていけばそれで十分だとは思いますが、トレーニングをすることで上達スピードを上げたいと言う人のために一応トレーニング方法を載せておきます(外部リンク)

体幹トレーニング法

バランスボールなどの道具を使わなくてもできる簡単な方法なので紹介してみました。特に「バードドッグ」というトレーニングは体幹レーニングとしても有名なものですし、競技かるたの動き方とよく似ているのでこれだけでも役に立ちそう。

 

(引用:「夏ボディの準備してる?1日30回「バードドッグ」で自信ゲット♡」locari.jp)

 

意外と重要なのが柔軟性

ここまでは体力・筋力の話でしたが、実は競技かるたでは柔軟性の方が案外大事だったりします。柔軟体操をすると関節の可動域が広がるので、その結果体の動きが機敏になります。かるたでは特に肩や肘の関節が柔らかくなれば、その分スムーズに速く動ける様になるため有利です。

また、競技かるたを長くしていると膝や腰が痛くなる人がいるのですが、そういった人は体が硬いせいで無理をするため痛くなっている可能性があります(体幹の筋力がなさすぎるケースもありますが)ので、柔軟をしっかりすることで負担が減ると思います

 

まとめ

競技かるたにはそれほど筋力トレーニングが必要ではないというのが個人的な意見です。ただ、何試合も取ることを想定したらある程度の持久力は必要になりますし、最低限の身体を支えるための筋力は必要になるので、普段全く運動する習慣がなく、体力面に不安のある人は簡単な体幹レーニングや柔軟をしてみるといいかなと思います。最後まで読んでくださりありがとうございます!