大会の参加者増加にどう対処していくべきか

近年ちはやふるのヒットなどを背景とし、競技かるた人口は急激に増加しています。

それに伴い、大会の参加者もD級を中心として年々増加しています。

もちろん競技かるた人口が増えることも、大会の参加者が増えることも嬉しいことなのですが、その一方で大会会場のキャパシティが足りなかったり、運営スタッフが足りなかったりと問題も起こっているようです。

先月末日本テレビ系(NNN)ではこのようなニュースがありました↓

Nippon News Network, NNN)

ニュースの内容は

  • もともと8校による団体戦で始まった「かるた甲子園」だが、今年は過去最多の61校が参加予定で、個人戦も過去最多2500人ほどがエントリー。
  • 全体の参加者は10年前と比べ4倍以上に急増している。
  • 会場を市内で分散させる必要があるが、夏場のため冷房があるかなど条件に合う場所選びが難航している。
  • 個人戦の参加費を500円あげた上に協賛金も募っているが、会場の増設で負担が増えるため、運営費も6割ほど足りていないという。(引用:Yahoo! Japan一部抜粋)

こうした現象は高校選手権(かるた甲子園)だけでなく、ほぼ全ての全国大会に通じて言えることだと思います。

そこで今回は今後競技かるた大会はどのように、この参加者増加という問題に対処して行けばいいのか、色々考えていきたいと思います。

 

増え続ける参加者と足りない会場

参加者が増えることで最も問題になるのが大会会場です。

競技かるたの試合を1組(2人)がするためには最低でも2.5畳は必要です。隣との距離感を考えるとできれば3畳以上は欲しいところです。

例えば256人が参加したとすると一回戦の試合数は128組、広さにすると最低でも320畳は必要ということになります。(壁際や柱の近くなどは試合を取れないのでさらに広さは必要になるはずです。)

なかなかそれほどの広さの会場というのはないため、どうしても人数が増えてくると会場の広さが足りなくなってきてしまうのです。

 

ではどうするべきか?-対策を色々考えてみた。

では、今後どうするべきなのか?

現在行われている対策も含めて今後の競技かるたの大会がどうあるべきか色々考えてみました。

 

(1)抽選によって参加者を絞る

これはすでに行われている対策ですね。

参加者の多い関東圏、関西圏の大会の多くでは現在抽選が行われていますし、地方大会でもアクセスの良い場所であれば抽選が行われています。

まあ抽選という方法はコンサートやイベントなどではよく行われるものですし、ある意味最も公平な基準とも言えます。

ただ、同じように3大会に申し込んだ人で、ある人は全部参加できて、ある人は全部落選なんてことも起きてしまいます。(実際にそういう事例があるようです。)

また、抽選によって参加権を得た人がキャンセルをするのはアリなのか?という問題もあるでしょう。

落選してしまっている人が出ている以上、キャンセルには何らかのペナルティがあってもいいのかなと思います。(次の抽選で不利になる、とか)

そうしないと「抽選がある→希望してもでれない可能性がある→とりあえず沢山申し込む(多く当選したらキャンセルすれば良いや)→さらに抽選が増える」という悪循環になってしまうからです。

 

(2)級ごとに日にちを分ける

これも現在行われている対策ですね。

同じ大会でも級ごとに開催する日にち(土曜日、日曜日)や週を分けることによって1日あたりの参加人数を減らすという対策です。

すでに多くの大会がこの級別開催を取り入れいますが、それでもすでに会場はいっぱいとなってしまっているというのが現状です。(昔はA〜E級が同日だったりしたんですけどね…)

それに級ごとに日にちを変えるとその分スタッフは何日もボランティアをしなければいけなくなるため、負担は重くなります。

 

(3)参加できる大会数を絞ってしまう

ここからはまだ実践されていない対策を色々考えてみました!

まず1つが「参加できる大会数を絞る」というものです。

つまり1人の選手が年間に参加できる大会数を一定数(7大会くらい?)に絞ってしまうという感じです。

上限が決められていれば、本当に出たい!という大会にだけ出るようになり、最近はかるたの大会にも出にくくなってるしとりあえず申し込むか〜という出場が減るんじゃないかなと思います。

みんなコンディションを整えて、限りある回数の大会に賭けて出てくるので、熱戦が期待されるのではないでしょうか。

もともと会費は同じ額を払っているので、参加できる回数が同じ方が平等な気もしますし。

このシステムになった場合は(特にA級やB級で)、「この大会はあの選手が参加するだろうから避けておこう」「この大会は狙い目かも?」などと水面下の駆け引きが始まりそうですね。

問題としては上り調子の選手でも上限になってしまったら大会に出れなくなるということでしょうか。

ベスト4以内に入ったら「出場可能回数が減らない」とかの規定があっても面白いかもしれないですね。

 

(4)あえて同日開催をしていく

あえて同じ日に複数大会を同時に開催するというパターンを推進するという対策です。

同じ日に2大会に参加することはできないので、選手たちは必然的にどちらかの大会を選ばなくてはならなくなります。

結果としてそれぞれの大会の参加者は減り、抽選をせずとも人数を絞ることができます。

最近は抽選外れを避けるために、遠方の大会に参加する人も増えていますが、同日開催を進めていけば、その日に自分が出れる一番近い大会に参加するでしょうから、選手の交通費の負担も軽くなるのではないでしょうか。

 

(5)あえて不便な場所で開催する

これも自然と参加人数を減らす取り組みです。

主に地方大会についてですが、あえて当日の新幹線始発では間に合わない場所で大会を開催し、遠征のハードルを上げてしあうという方法です。

ただまあ不便な場所にそこまで広い会場があるのか、という問題もありますし、そもそも参加者を減らすためにアクセスの悪い場所を選ぶというのがどうなのかという問題はありますね。

 

(6)いっそ大会数を増やしてしまう

そもそも競技かるたの人口が増えているのに大会の数があまり変わっていないというのがおかしいのではないか?

いっそ大会数を増やしてしまえばいいのでは?という対策です。

参加者、競技者からしてみたら大会の数が増えるのは大歓迎ですよね。

これが結局一番良い対策な気もします。

ただ大会の数自体が増えても、一人当たりが年間に参加する大会数が増え、結局大会あたりの参加人数は減少しない、ということも容易に考えられます。

ベストなのは(6)大会数を増やし、(4)同日開催をしていく、ということなのではないでしょうか?

現在新しく大会を始めるのはハードルが高いですし、大会を開催するためには公認審判員が必要ですが、その条件が厳しい(たしか六段以上?だったような)ため、そのあたりのハードルを下げる必要がありますね。

 

(7)大会の参加費の値上げ

現在かるたの大会の参加費はA・B級は2500円、C級2000円、D級1800円、E級1200円です。

この参加費を値上げしてしまえば、参加者は減り、運営費も充実するのではないか?いう対策です。

運営費が十分に見込まれれば、会場もより広いところを取れるでしょうし、運営スタッフが足りないところは交通費・謝金を支払うことで他県などからスタッフを集めることも出来る様になります。

でももし参加費が5000円とかになったら、1回戦で負けた時のショックは大きいでしょうね…

 

(8)所属会ごとに枠を決めてしまう

それぞれのかるた会ごとに出場枠を決めてしまい、あとはそれぞれのかるた会の中で出場者を選んでもらうという方法です。

それぞれのかるた会で予選を行ったり、もっとも勝てそうな人が出場することになるでしょう。

ただ、どのかるた会が何枠か、ということの選定は難しいですし、不満が出そうなので実際にこの方法で運用するのは難しいのかなという気もします。

D級以下では特定のかるた会に所属していないという選手も多いですし。

まあA級の大会で、各県から代表者が2人ずつくらい出場するという大会があっても面白いかなとは思いますが。

 

結局どの方法がいいのか

色々対策を考えてみましたが、個人的にはやはり「大会の数を増やし」さらに「同日開催をしていく」のが良いのではないかなと思います。

参加費は今の金額が高すぎず安すぎずちょうど良いくらいという気がしますが、会場やスタッフの確保でお金が足りないということであれば、多少の値上げは仕方ないのかな、と。

まあ何はともあれ、大会に参加したい人がなるべく参加でき、充実したかるた生活を送れるようなシステムになればなあと思います。

みなさんはどんな方法が良いと思いますか?

もし意見などがありましたら、ぜひコメント欄にお願いします!