かるた名人・かるたクイーンになるまでの道のり
競技かるたのタイトル戦のうち、最も上位に位置づけられているのが「名人戦」と「クイーン戦」です。
そのため、かるた選手の最終的な目標は名人あるいはクイーンになることです。
今回は名人・クイーンになるまでの道のりを簡単にまとめてみました。
まずは予選会に参加するところから!
まずは名人戦、クイーン戦の予選に参加するところから始まります。
予選は東日本予選と西日本予選にそれぞれ分けられており、いずれも10月下旬の同日に開催されています。
東日本予選は文京区の大塚会館、西日本予選は滋賀県の近江神宮で行われます。
名人戦とクイーン戦は別の部なので、①東日本名人戦予選、②東日本クイーン戦予選、③西日本名人戦予選、④西日本クイーン戦予選の4種類があり、そのどれかに出場するということになります。
どの予選に参加するのか
当然かもしれませんが、名人戦予選は男性選手、クイーン戦予選は女性選手のみに参加資格が与えられます。
以前は女性選手が名人戦予選に参加することもできたらしいのですが、参加者はほとんどおらず、クイーン戦が名人戦と同格になったため、名人戦は男性選手限定のタイトルとなりました。
東西については、自分の所属するかるた協会が所属している支部によってどちらに参加するか決まるということだったはずです。
静岡甲信越は東日本、北陸は西日本予選です。(2019年現在)
予選会の参加条件とは?
予選会に参加する最低条件はA級選手(四段以上)であることです。
かるたの級についてはこちらの記事でまとめていますので割愛しますが、A級になるのもかるたを始めてから少なくとも2〜3年はかかることが多く、また実力があっても何年もB級で止まってしまう選手も多いので難関です。
また、最近タイトル戦の出場資格の見直しがされ、名人戦とクイーン戦の予選については段位上位者が優先的に出場権を得るということになりました。
A級の中でも四段の選手もいれば六段や七段の選手もいて、人数が多くなってしまった場合には段位上位の選手から順番に出場できるとのことです。
東日本と西日本だと東日本の方がやや参加者が多く、名人戦とクイーン戦だと名人戦の予選の方が参加者が多い傾向があるので、予選の種類によって参加できるボーダーラインは変わってくると思われます。
今のところ六段以上だとまず問題ありません。
予選会で優勝して東西の代表に
予選会は通常の大会と同じトーナメント形式です。
やはり名人やクイーンを本気で目指している選手が多いので、普通の全国大会と比べて実力者が揃っています。
ここで勝ち上がるにはかなりの実力と勝負強さが必要になるでしょう。
予選会を突破すると東日本代表、西日本代表となります。
東西代表による挑戦者決定戦!
東西の予選会の約1ヶ月後、11月中旬に挑戦者決定戦が行われます。
東西の代表が名人戦、クイーン戦の挑戦権をかけて戦います。
会場は年度により異なり、関東で行われることもあれば、近畿で行われることもあるようです。
ちなみに2018年は嵯峨嵐山文華館で開催されました。関東の場合は東日本予選と同じ、かるた記念大塚会館で行います。
なお、挑戦者決定戦は名人戦の部もクイーン戦の部も三本勝負で、先に2勝した方の勝ちとなります。
予選会と違い、選手は和装が義務付けられています。
いよいよ名人、クイーンに挑戦!
挑戦者決定戦を勝ち上がると挑戦者となります。
挑戦者は毎年1月上旬に近江神宮にて行われる名人位・クイーン位決定戦に臨むこととなります。
2019年の大会からクイーン戦も5回戦となりました。そのため、いずれのタイトルも先に3勝した方が勝ちとなり、その年の名人およびクイーンとなります。
名人戦・クイーン戦は通常のかるたの試合では考えられないほどの取材が来るため、その独特な雰囲気での試合に慣れている防衛側が圧倒的に有利と言われています。
そうした不利な状況下でも3試合を勝ちきることのできる実力のある者のみが名人・クイーンになることができるのです。