一字決まりの取り方

皆さん一字決まりは得意ですか?

自分は結構得意な方なんですが、かるたを始めて最初の1年くらいは一字決まりがとにかく苦手でした。

一見シンプルに速く取れば良いだけの札のようですが、シンプルな中にも奥深さがある札です。

もともと一字決まりの札は7枚しかありませんが、試合の経過と共に決まり字が変化し、1試合を通じての確率では27%の札が一字決まりになります。

終盤戦になると場の札の多くが一字決まりになってきますし、一字決まりの札は時に試合の流れを大きく左右することもあります。

そこで今回は一字決まりの取り方についてご紹介していきます!

 

相手陣の一字決まりは絶対に取る札!

まず『相手陣の一字決まりは絶対に自分が取らなければいけない札だ。』と肝に命じておきましょう。

特に『むすめふさほせ』と呼ばれる一枚札は速く取れて当たり前の札なので、これらに対して出遅れているようではダメです。

こういった取るべき札に対して出遅れていると、対戦相手は攻められているという印象が薄くなり、結果としてどんどん相手のペースになってしまいます。

少なくとも序盤〜中盤戦、大差がついてない試合では、しっかり抜くようにしましょう!

 

しっかりと確認して狙う

さて一字決まりの取り方についてですが、相手陣の一字決まりの場合は先ほど述べた通り、絶対に取らなければいけない札なので、狙って取りましょう。

相手陣の一字決まりは序盤〜中盤くらいまでは2〜5枚くらいだと思うので、そのくらいの枚数であれば全部狙うくらいのつもりで。

狙い方は色々あると思いますので、自分にあった狙い方でOKですが参考までに狙い方のパターンをお示ししておきますね。

 

(1)上の句が詠まれるギリギリまで頭の中で唱える

下の句が詠まれて、余韻〜空白の1秒間の間ずっと頭の中で唱え続けて狙うという方法です。

頭の中で唱えているので、その札が出たら力強く手が出るでしょう。

狙い方の中でもかなり強い部類ですが、どうしても狙っている札に行き過ぎてしまい、関係ない札の時でもそこに手が出たり、他の札への反応が鈍ってしまいやすいというデメリットがあります。

 

(2)唱えはしないけど、取るイメージで狙う

余韻〜空白あたりの時に先ほどのパターンのように頭の中で詠む、唱えるという事はしませんが、その代わりに狙い札を取るイメージを強く意識しておくという方法です。

サッカーのPKでゴールキーパーが相手のシュートの弾道を頭の中でイメージしていると、その通りに来た時に良い反応で動けるというのと同じような感じです。

イメージをあらかじめ強く持っていて、その通りだった際に素早く動けるよう、自然と身体を準備させておくという事ですね。

特定の音を強く待つ先ほどのパターンと比べて、読手の詠みにフラットな状態で待っているので他の札に対しての反応はそれほど鈍くはなりません。

ただ、唱え続けるよりも邪念が入りやすくはなるので、「でも自陣のこの札が出たりして…」など他の考えが頭によぎると手が出なくなってしまいます。

 

(3)下の句が詠まれている時に一度だけ確認しておく

下の句が詠まれる間に狙う札を一度確認しておき、あとは音に集中するというやり方です。

あまり意識しなくても自然と相手陣の深い札に手が伸びるという人であれば、この方法がオススメです。

1つ目、2つ目のやり方よりもさらにフラットに詠みと向き合うことができるからです。

やはり詠みを待つときは「無心」が一番ですので、それに近い狙い方だと思います。

 

(4)目で見て狙う

狙いたい札を目で見て攻めるという方法もあります。

目視でしっかり確認していれば取りこぼしの心配なく攻めることが出来ます。

ただ狙い札が左右や上下に散らばっている場合はその全てを見ておくことは難しいと思うので、そうした場合は片方を見て片方は頭の中で唱えるなど他の方法を組み合わせることになります。

私は特定の札を見るということはまずしないのですが、そういったやり方をして強い人もいるので向き不向きがあるのかなと思います。

 

払いは止まらず、手を伸ばしきる

一字決まりでは決まり字を待つということはまずないので、とにかく札に速く到達することが大事になります。

普段の払いの練習で意識しているように、最短距離で回らずに札を触ることはもちろん、札を触った瞬間や直後に手を止めるのではなく、札を取った延長線まで手が伸びきるような取り方がベストです。

手を止めようとするとその分減速してしまいますし、思いっきり振り切った方が相手から見た時も速く取られたように見えます。

取った後に勢いで立ち上がるくらいの感じでいきましょう。

手を真っ直ぐ伸ばすこと、止まらないでトップスピードで取ることを実践するために突き手を使うことも有効です。

払い手で取るよりも手が回りにくいので、一字決まりには相性がいい取り方です。

特に相手陣の下段の内側の方の札は突き手の方が取りやすかったりします↓

 

自陣の一字決まりは?

ここまで相手陣の一字決まりを中心に説明してきましたが、一応自陣についても。

攻めがるたの場合はよほど負けている時でなければ自陣の一字決まりの札を狙うということはしませんし、それで良いと思います。

狙っていないので音が詠まれた時の動き出しでは相手に負ける可能性が高いでしょうが、距離が近い分こちらにも分はあります。

距離が近い札を取る時に力を入れすぎてしまうとかえって回り道をして遅くなってしまいます。

自陣のしかも下段にあることの多い一字決まりですから、なるべくコンパクトに払うことを意識すると取れる確率が上がります。

 

まとめ

ということで今回は一字決まりの取り方についてでした。

試合の後半で枚数が多くなった時や、相手がガン守りしてる時、負けていてまずは自陣を取らないといけない時など仕方ない場面もありますが、それ以外の通常の状態ではしっかり相手陣の一字決まりを抜いてリズムに乗っていきたいところですね。