競技かるたを始めよう【練習試合編】
勝利は一日にして成らず!
競技かるたの選手は誰だって試合で勝利したい。
でも、試合で勝つためには練習が必要不可欠。
そんな練習は練習試合はもちろん、それ以外にも色々な方法があります。
色々な練習方法は次回紹介するとして、今回は「練習試合を効率的にするポイント」についてご紹介します。
練習試合でできること
やはり、色々な練習の中でも中心となってくるのが練習試合。
相手がいる試合はいつも以上の実力が出せたりするものです。
でも、ただ漠然と練習試合をするのではもったいない!
練習試合も工夫すれば、もっと効果が上がります。
いろんな人と練習試合をするべし!
近くの練習会に参加する方法は1つ前の記事でお話ししました。
そこでできたお友達、もしくは家族で同じく競技かるたをしている人とだけ練習試合をするのはオススメしません。
競技かるたの本番は大会なのですが、その大会での対戦者はほぼ初対面の人です。利き手がどちらなのか、どんなプレイスタイルなのかさっぱり分からないところから試合が始まります。
同じ人とばかりしていると、そのプレイスタイルへの対策がしっかりできるというメリットもありますが、
やはりたくさんの人と試合をして、十人十色のプレイスタイルを感じてください。
そうすれば、大会で初対面の人と試合を取ることになっても、「この取り方は〇〇さんと似ている!だからこういう対策をしていこう」と臨機応変に対応ができるのです。
「人見知りだから、指名して練習試合してもらうことなんて恥ずかしい…!」という気持ちもよく分かりますが、そこは自分のスキルアップのために一歩踏み出しましょう!
いろんな人と試合をする中で、自分により合ったプレイスタイルが見つかることもあります。メリットしかないのです!
可能なら自分より上の段の人と練習試合をするべし!
「いろんな人と練習試合をする」というのにも重なりますが、機会があれば自分より上の段の人と練習試合をするといいです。
たまに、自分より上の級の人と練習試合をすると決まった時に嫌がる人もいるのですが、それは違うと思います。負けてしまうのは嫌ですが、そこは練習試合なのですから、自分にとって有意義な試合になる方が価値があると思っています。
なかなか下級者の身分からは言い出しにくいことですが、もし上級者の試合相手が決まってなかったり、上級者の人と仲良くなったりしたら対戦して欲しいとお願いしてみてください。
大会前は上の段の人も同じレベルの人と調整したいのでお願いしない方がいいですが、
大会後やしばらく大会のない期間には引き受けてくれることが結構あります。
やはり、自分より上の段の人は自分には無い良い技術を持っているはずです。試合の中でその技術を学んで盗み取っていきましょう。試合後のアドバイス(感想戦)をもらうのも忘れずに!
とても稀なことですが、上の段の人から「練習試合してみる?」と声をかけてくれることもあります。
そんな時は二つ返事で引き受けてくださいね!「むしろ、こちらからお願いします」ぐらいの勢いで。
競技かるたは年齢は関係ありません。始めた時期も関係ありません。年下でも、自分より遅く始めた人でも、自分より上の段の人なんてたくさんいます。「年下(または自分より後に始めた人)に練習試合お願いするのって情けないよな…」なんて思うのが情けないんです!
年齢や始めた時期に関係なく、上の段の人にはぜひ練習相手をお願いしましょう。
試合後の感想戦は必ずすべし!
練習試合は試合が終わったら終わりではありません。
試合後に試合の展開などについて話し合う感想戦というのがあります。将棋でもしていますよね。競技かるたも感想戦はとても大事です。
初心者のうちは話し合う感想戦というよりかは、アドバイスをもらう時間になると思いますが、その時間はとても貴重です。
上の段の人と試合をした後はノートとペンを持って対戦相手の元に行き、「アドバイスもらえますか」と聞きに行くのがいいでしょう。言われた内容はメモして記録しておきましょう。
聞きに行かなくても、試合後すぐにアドバイスをくれる人がほとんどだと思います。
次の試合まで時間がない場合は聞いて覚えておいて、あとでメモをする、
次の試合まで余裕がある場合は「記録したいんで筆記用具持ってきてもいいですか。」と聞いてすぐに筆記用具を取りに行きましょう。
始めたばかりの頃はとにかく上の段の人のアドバイスを聞くこと。やはり、自分では得られない視点も多々ありますし、上の段の人の経験も参考になります。
そして、それを記録しておくこと。最初は覚えることもたくさんあって記憶だけでは抜け落ちてしまうこともしばしばあります。アドバイスされたことはとにかく書いておいて、帰ってからどうすべきかじっくり考えるといいと思います。
同じレベルの人と練習試合をした時は、話し合う形式の感想戦をすると良いでしょう。
「この札の取りが良かった」「この送り札はどういう意図だったか」「この時どうすればよかったか」などを話題にして話し合うといいと思います。これもまた、自分では得られなかった視点を手に入れることができます。
初心者同士の感想戦で答えが見つからない時は、上の段の人に尋ねてみるといいでしょう。
練習試合だけして感想戦をしないのはもったいない!のです。
次の試合まで時間がないときは仕方がないですが、なるべくどんな人と練習試合をしても感想戦の時間は取るようにしてください。
それぞれの練習試合で目標をもつべし!
練習試合をしている最中もぼんやりとするのはもったいないです!
その試合で何かを目標にして取り組むようにしてください。
例えば、「負けるとしても〇枚差以内に収める」「お手つきを〇回以内に収める」といったミスを最小限にするものもあります。
「渡り手や戻り手など、共札の取り方を試す」「囲い手を試す」など、技術的なものもあります。
「敵陣の一字決まりを全部取る」「決まり字の変化に対応する」「送った札は必ず取る」という場札に関するものもあれば、
「競技戦から頭が出ないように意識する」「頭が下がりすぎないようにする」「利き手じゃない手の位置を固定する」という姿勢に関するものなど挙げればキリがありません。
この中の1つか2つほどを目標にして練習試合に臨めばその試合の意義が明確になります。
大会の試合中に「これをしたい」と思ってそれを確実に実行するには、日頃から何かを意識しながら試合をする練習が必要になります。即時にできるものではありません。
練習試合では勝ち負けだけでなく、自分の技術や戦略を磨くことも意識してください。
むしろ、練習なのですから勝ち負けではなく、技術や戦略を磨く方を中心にしたいですね!
試合でのマナー・もめ方も学ぶべし!
蜂丸が競技かるたで大事にしていることに「礼節を重んじること」があります。
これは競技規程第三条にも「競技に際しては、互いに相手を尊重するとともに、礼節を重んじなければならない。」とあります。
これは競技かるたの選手なら守らなければいけないことなのです。大会の審判員も「競技規程及び競技会規程に則って…」とおっしゃられると思います。
つまり、大会では礼節を重んじることが義務付けられていると言えるのです。大会でそうなるのなら、日頃の練習試合でも守れるようになっておくべきですよね。
また、競技規程細則第二条には「競技かるたでは、競技者同士が互いの動きを良く見極めると共に、信義誠実の精神に則って冷静に主張しあい、迅速に問題解決することを旨とする。」とあります。
これは細則ではありますが、守るべききまりです。つまり、もめる時も対戦相手への礼節を重んじていないといけないわけです。
少し試合に慣れてくると、もめることにも慣れていきます。その時に、自分の意見ばかりを主張したり、相手を頭ごなしに否定するようなもめ方をすると規程や規程細則に反するということです。
こういうもめ方は実際に大会で何度も遭遇しました。審判員に注意されている場面も見たことがあります。
せめてこのサイトを見てる人は、そのようなもめ方をするような人にはならないでほしいのです。
試合に熱中してるあまり攻撃的になってしまうのかもしれませんが、相手を言葉や態度によって不快な思いをさせるのは「かるた道精神に則って」いる選手だとは言えません。
競技かるたは、互いに否定しあったりイライラさせ合う競技であってはなりません。
残念ながら、A級の選手にも礼節を重んじていない人たちはいます。
練習会の中では、たとえA級でなくてもマナーのなっている人を見つけ、その人の態度や言葉遣いを真似るようにしてください。
決してもめるなとか、もめそうになったら譲れだなんて言うつもりはありません。
お互いが相手を思いやって発言し、相手の意見もしっかり聞き、最終的に互いが納得できるようなもめ方が理想です。
色々な選手と出会いながら考えてきました。
これが蜂丸の切なる願いなのです…
次回は練習試合以外の練習方法を紹介します!
練習試合が練習の中心にはなりますが、一人で、または家でできる練習もあります。
次回はそれらの方法をお教えします。
競技かるたはとにもかくにも練習です!