E級とD級どちらの大会に出場するべき?
E級とD級って何が違うの?
競技かるたには段と級があると言う話を以前の記事で紹介しました。
その中で、無段にはE級とD級の2つの級があることをお話ししましたね。
今回は、E級とD級がどう区別されているのかについて紹介していこうと思います。
E級とD級は厳密に区別されているわけではない
この記事を読まれている皆さんはがっかりされるかもしれませんが、E級とD級に厳密な区別はありません。公式の文言も特にはありません。
なので、自分がE級であるとか、D級であるとかの証明ができるものは存在しません。
しかし、D級とE級は大会で区別がされていますし、競技かるたの選手からすれば「この人はD級かなー」と大体の検討はつきます。
じゃあ、大会ではどう区別されているのか、競技かるたの選手はどうやって見分けているのかをこれからお話しします。
大会でのE級とD級の区別とは
大会にもよりますが、公式大会ではD級の部に加えE級の部も開催するところがほとんどになってきました。
たしか、全国かるた会の集まりの時に「大会ではE級の部も開催するようにしましょう!」ってなったから…だったはずです。
逆に言えば、ほんの数年前にはE級の部を開催していない大会も結構あったんですよ。
そこから分かるように、E級という概念は最近まで浸透していなかったというわけです。
「参加費」が違う!
E級の部が開催されるようになって、D級の部と何が違っているかというとまずは「参加費」です。
D級は1800円、E級は1200円とE級の方が安いんです。
「定員数」が違う!
次に、「定員数」です。
最近では応募人数が会場の収容可能人数を上回ることが多くなってきたため、あらかじめ定員数を設けた大会が増えてきました。
その定員数を見ると、E級の方が定員数が少なくなっているはずです。
E級は、D級に比べて競技人口が少ないということが示されているんですね。
「昇段の可否」が違う!
そして、一番重要な違いといえば、「昇段の可否」です。
D級では3位入賞以上になると初段(C級)に申請することができます。
晴れて有段者になるということです。
しかし、E級では3位入賞しようが優勝しようが初段(C級)に申請することはできません。
「その代わり、E級の部で優秀な成績を出せばD級の部に出場できるんじゃないの?」とお思いの方もいるかもしれませんね。
しかし、別にE級の部で優秀な成績を納めていなくてもD級の部に出場することは可能です。
D級の部の出場条件に、「E級の部で優秀な成績を出していること」なんて条件はないんです。
言ってしまえば、E級の部に出場したことがなくてもD級の部でいきなり大会デビュー!なんてこともできるんです。
「じゃあ、何のためにE級の部が開催されるの!?E級の部で優勝しても何にもならないじゃん…」と思いますよね。
しかし、E級に出場する意義は確かにあると蜂丸は考えています。
それは次の「E級・D級の見分け方」でお話ししていきますね。
かるた選手によるE級とD級の見分け方
E級の部に出場する意義を見失って落ち込んでないですか?
安心してください!E級の部に出場する意義はあります。
まずは、選手にとってE級とD級はどう違うのかについてです。
一言で言えば、「昇段する程度の実力があるかどうか」
どの級、どの段でも言えることではありますが、同じ級や段を持っていても実力の差は大きく出ます。
それが、無段の中のE級とD級には顕著に現れるのです。
もちろん、100枚の決まり字は覚えていて、試合の流れも問題なくこなすことができるという前提は一緒です。
しかし、決まり字まで読まれた瞬間に取れる札が何枚あるのか。相手陣の札も取ることができるのか。送り札もしっかり考えて送ることができているか。
これらのことがたくさんできていて、それでいて同じ無段や、はたまた上の段の人にも勝つことができる。それがD級です。
今は試合をこなすことだけで精一杯で、同じ段の人と対戦すると勝率が五割程度かそれ以下。それがE級です。
こういったことを端的に、「昇段する程度の実力があるかどうか」という一言にまとめてみました。
無段でも初段に近い方がD級でそうじゃない方がE級だということです。
自分はどっちになるだろうと思ったら、同じ無断の人に対する勝率を考えてもらうと良いかと思います。
周りの上級かるた選手も、普段の練習会で無段同士でやっている試合や、無段の選手と自分で取った試合からなんとなく、「〇〇さんはD級出られるかな」「〇〇さんはまだE級での出場かなあ」とか考えたりするわけです。
なので、大会に出ようとしたときに、「あなたならD級でも結果残せるかもね!」というように言ってもらえるかもしれません。
しかし、かなり強かったとしても、大会デビューはE級で出ることをやんわーりオススメします。
大会のE級の部とD級の部、どっちで参加したらいいの?
なぜ大会デビューはE級の部で出場することをやんわりオススメするのか。
それは、大会独特の空気や練習会と少し違う流れを知ってほしいからです。
大会でもかるたの試合をしていればいいだけのことなのですが、
対戦相手を確認するのに人混みを潜って見に行くのが大変だったり、
試合に勝ったら使った札を持って対戦表のある場所にいるスタッフに試合の結果を報告したり、
◯回戦は◯級の部は休みになることを開会式の諸注意で聞き逃さないようにしたりと
練習会とは違う行動をしなければなりません。
最も違いが出るのが試合中の空気。
練習会は知り合いばかりなので、比較的アットホームで和やかな雰囲気の中試合が進みますが、大会は空気が張り詰めています。
この試合に負ければ終わりという、後がない状態なので選手全員が緊張し、集中力を最大限に引き出しているのです。
初めて大会に出場すると、この空気に飲まれてしまう可能性があります。
また、次の札が詠まれるまでの空き時間が大会はとても長くなります。
札が詠まれるたびに、飛んだ札がどこかに行っただとか、もめが入ったりだとかで何かしらの出来事が起こります。特に順調に進行される小規模の練習会に参加していると、この空き時間がかなり長く感じられます。
空き時間が長いと、集中力が途切れてしまうこともしばしば。
緊張しているのに、次の札がまだ詠まれないのかという焦りや苛立ちまで感じてしまうことも。
大会デビューでただでさえ緊張しているのに、そこで集中力が途切れたり焦りや苛立ちまでも感じるようになってしまったら、本来の実力が発揮できるわけがありませんよね。
なので、大会デビューはE級の部で肩慣らしをしておくことをオススメするのです。
それに、E級の部は昇段はできませんが参加費はD級より安いですし、入賞すれば他の級同様景品がもらえます。
D級で通用する力がついていたとしても、まずは少し安いE級で大会独特の流れや空気感を味わって、ついでに景品までもらっちゃうというのも、悪くないんじゃないかなあと思うわけです。
E級はD級と同日に開催されることも多いので、横目でD級はどのくらい強い選手がいるのかということも確認できると思います。
ひとまず最初はE級の部で出場しよう!
ということで、初めての大会はE級の部で出場することをオススメします。
2回目以降は自分の実力に合わせてE級とD級どちらに出場するか決めると良いと思います。
大会についての記事は他にも書いていますので、そちらもぜひ参考にしてくださいね!