決まり字の変化とは?
上の句の決まり字を聞いたら、対応する下の句の札を取る。
かるたの基本ですね。
「決まり字」とは「そこまで聞けばその札だとわかる文字」のことで、百人一首には「むすめふさほせ」で始まる1字決まりから、「あさぼらけあ」など6字決まりまでそれぞれ決まり字が存在します。
しかし決まり字は一定ではなく、試合中に変化していきます。
これを『決まり字の変化』と言います。
今回は具体例を交えながら、「決まり字の変化」について学習していきましょう。
①読まれた札による変化
かるたの試合では50枚しか使いませんが、残りの50枚(空札)も読まれます。
そして、一度読まれた札は2度は読まれないため、札が読まれるにつれどんどん残りの札が絞られていきます。
これを利用すると決まり字を短くすることができます。
例えば「う」で始まる札について
「う」から始まる札は「うかりける」と「うらみわび」の2枚しかありません。
それぞれ決まり字は「うか」と「うら」です。
札は「うかりける」しかありませんので、当然決まり字は「うか」です。
しかし、ここで空札の「うらみわび」が読まれるとどうでしょう?
「う」で始まる札は2枚しかなく、もう片方の「うらみわび」が読まれてしまったので、場にある「うか」は「う」と聞くだけで取れるようになります。
つまり決まり字が「うか」から「う」に変化するのです。
最初は難しく感じますが、だんだん慣れてくると何も考えずとも決まり字が変化していると分かるようになるでしょう。
ただし、あ札は16枚もあるため、「あ」の一字決まりを判断するためには残り15枚が読まれたかどうか覚えていないといけません。
これは上級者でもなかなか簡単なことではなく、正確な決まり字がわからないこともあります。
②送り札による変化
「決まり字の変化」は送り札のよっても発生します。
例えば下のようなケースです↓
自陣の「ありま」と「ありあ」を両方持っているため、この札は「あり」で取ることができます。
これは、「出札が読まれた陣ならどこを触ってもお手つきにならない」というルールがあるためです。
(「あり」で始まる札は「ありま」と「ありあ」の2枚だけ)
しかし、この状態で「ありま」を送ると.......
このようになり、決まり字はそれぞれ「ありま」「ありあ」となり、「あり」で取ることはできなくなります。
このケースでは両方持っていた友札を片方送って分けたことで決まり字が長くなりましたが、逆に一つの陣に友札が重なるように送れば決まり字を減らすこともあります。
このように決まり字は読まれた札だけでなく、同じ陣に並んでいるということでも変化するのです。
まとめ
決まり字の変化は(1)空札がなくなることによる変化、(2)同じ陣に並ぶことによる変化、の大きく2つの変わり方があります。
上級者を目指すには決まり字の変化をほぼ完璧に把握して、対応する力が求められます。
基本をしっかり押さえて、試合中でもすぐに反応できるように頑張っていきましょう!