【札分け・札合わせ】団体戦の終盤で行う戦術

今回は《札分け》と《札合わせ》についてです。

 

札分け・札合わせ=団体戦の終盤で行う札調整のこと

札分け(ふだわけ)と札合わせ(ふだあわせ)は団体戦の終盤で行われる札を調整する戦術のことです。

札分けは自分の持っている札と仲間が持っている札が違う札になるように調整すること。

札合わせは自分の持っている札を仲間が持っている札と同じになるように調整することです。

 

何でわざわざ仲間と持っている札を揃えたり、逆にしたりする必要があるのでしょうか?

具体的なケースを見ながら考えて行きましょう〜٩( ᐛ )و

 

札分けをするとほぼ確実に勝てる!

今回は団体戦で最もオーソドックスな5人団体について考えてみましょう。

5人の団体戦の場合は過半数である3人が勝てば勝ちとなります。

 

下のケースでは5試合のうち3試合はすでに試合が終了していて、手前のチームが2勝1敗しています。

手前のチームはすでに2勝しているので、言い換えればあと1勝すれば勝ちということになります。

2人がまだ試合をしているので、2人のうちどちらかが勝てばいいという状況です。

 

ではその状況でこのような札の持ち方だとどうでしょう↓

2人が持っている札はそれぞれ「せ」と「ふ」という異なる札です。

そのため、どちらの札が詠まれても2人のうちどちらかが守ることができるので、ほぼ確実に勝つことができます。

 

このようにチームの勝ち数がリードしている状況で札分けをするとほぼ確実に勝てる形を作ることができます。

 

(質問)自陣を抜かれてしまう可能性もあるんじゃないの?

いいえ。もちろん自陣を抜かれてしまう可能性が全くないという訳ではありませんが、まず抜かれることはないでしょう。

というのも、札分けを完成させた方のチームは自陣の札さえ守れば確実に勝つことができるので、相手陣の札を抜く必要は全くありません。

言い換えると自陣の札に100%のエネルギーを使って守ることができる状態ということです。

そうした相手から札を抜くことは非常に困難なため、札分けを完成させることができれば確実に勝つことができると言っても差し支えないでしょう。

 

札合わせをすると確率で勝てる

では札合わせはどういう時にするといいのでしょう。

下のモデルを見てみてください。手前のチームはすでに2敗していて後がありません。

残り2試合がまだ残っている状況ですが、すでに1勝2敗なので残る2人が2人とも勝たなければなりません。

 

こうした時に行うのが札合わせです↓

残っている2人が同じ札を残しておくことで、自陣の「せ」が詠まれたら二人とも守ることができるので、最終的に3勝2敗とすることができます。

「ふ」が詠まれるか「せ」が詠まれるかで勝敗が決まるので、この場合は50%勝てるということになります。

 

(質問)50%しか勝てない作戦をする意味ってあるの?

ほぼ確実に勝つことができる札分けと違い、札合わせは詠まれる札の確率に頼った作戦なので抵抗感があるのも無理はありません。

しかし上記の様なケース(残り札が2枚、つまり運命戦)では、こちらが札合わせをしない=相手の札分けが完成するということになってしまいます。

相手の札分け完成を阻止するという意味でも札合わせはある程度必要な作戦だと思います。

もちろん、今回は説明を簡略化するためにすごくシンプルなケースだけを扱っているので、実際は札合わせをするべきかどうか悩ましいこともよくあります。そう言った難しいケースについては今後別の記事で理論的にどちらがいいのか検証していきたいと思います。

 

どうやって札分け・札合わせをするのか

札分け・札合わせの理論についてはわかっていただけたと思います。

では、次にどうやって試合の中で札分けや札合わせを作るのかを説明します。

 

(1)まず勝ち星の状況をしっかりと把握する。

まずはしっかりと勝ち星の状況を把握しておきましょう。味方が今何勝何敗なのかを把握していなければ戦術を組むことはできません。

残る人数で何勝しなければいけないのか、しっかりと把握しておきましょう。

 

(2)味方の持ち札を把握する。

次に味方の持ち札をしっかりと把握しておきましょう。

札分けをするにしても札合わせをするにしても味方の札を知っていなければ出来ません。隣の試合であればもちろん直接見れば分かるのですが、問題は自分から遠いところとの札分け・札合わせです。

直接札を見ることはできませんし、味方に持っている札を聞くことも反則です。

そこで味方に何らかの指示を出して、持ち札を押してもらう方法がよくあります。札を教えて欲しい時に味方にサインを出し、それに気づいた味方が「みかの、移動します」という風に自陣の札を動かすなどして持ち札を間接的に教えるのです。

(露骨に、直接的に教えることはルール違反になるので注意しましょう。)

 

(3)優勢なら札分け、劣勢なら札合わせが基本

すでに2−1で勝っている時はあと1勝なので札分けを、逆に1−2で負けている時はあと2勝しないといけないので札合わせをするのがセオリーです。

札分けなら味方が持っている札を送り、札合わせなら味方が持っていない札を送ることで合わせていきます。

 

 

 

以上が札分け・札合わせの基本です。

一見ややこしいですが、実は単純な戦術なので団体戦をする人はぜひ理解しておきましょう!