【突き指】意外と怖い突き指と正しい治療法

競技かるたの試合中に多い怪我については前回まとめました。

http://karuta-doujou.com/no-categoly/kega/

その中でも特に多い怪我の1つである「突き指」について今回は説明していきたいと思います。

突き指とは

突き指は、指が何か固いものにぶつかり生じる怪我のことです。球技などで指を伸ばした状態でボールに当たり発生することが多いです。

競技かるたにおいては札と当たって突き指をするということはまずありませんが、札を取る際に相手選手の手が当たると突き指をすることがあります

 

実際知恵袋にはこんな質問がありました↓

利き手薬指を突き指をしました。競技かるたです。突き指をした日から5日目にとても大事な大会があり、どうしても出たいです。 四日目の今日は見た目は分からない程度の腫れ(触るとわかる)で、

曲げられる(少し違和感があり曲がりきらない)、ものを投げると少し痛い(遠心力の影響)程度です。 今は湿布とテーピングで固定してあります。調べると突き指は一週間は安静と書かれており…試合に出てもいいか不安です。少し痛いですが、我慢できれば出てもいいでしょうか…?? みなさんは突き指をしていても運動をしたことありますか?

ぜひ回答宜しくお願い致します…!!!! (引用:Yahoo! 知恵袋)

 

このようにかるた選手はしばしば突き指を負いますし、繊細かつ激しい手の動きを要求される競技かるたにおいては手の怪我は致命的なのです。

突き指の◯◯%は治療の必要がある!

突き指は「指に固いものが当たって生じた怪我の総称」なので、実際には槌指(つちゆび)、骨折、靭帯損傷、脱臼など様々なタイプが含まれています。

実際、突き指の5〜25%は医学的に何らかの治療が必要であると考えられています。

 

(1)槌指(つちゆび)

マレットフィンガーとも言います。

指のDIP関節(一番指先の関節)が損傷し、伸ばせず曲がったままの状態になります。原因は大きく2つに分けられます。1つが腱性槌指と言って、ぶつかった衝撃により腱が断裂してしまっているパターンです。も1つは骨性槌指と言ってこちらも衝撃が加わった時に骨折する事で指が伸ばせない状態になるものです。

治療は指を伸ばした状態で固定する治療を行います。完治するまでは1ヶ月以上かかります。また、骨折が原因となっている槌指の場合は固定する方法での治療が困難だと判断されれば手術をすることになります。

 

(2)中節骨の骨折

指先から数えて2番目の節の骨である中節骨が骨折する怪我です。

骨折をすると手の背面、甲の方に指先がずれてしまいます(転位)。レントゲン検査を行うと骨折しているか判断できます。

転位の少ないケースではそのまま安静にするだけでも治癒しますが、転位があるケースでは固定をしたり、プレートで内固定をする手術をします。

 

(3)PIP関節脱臼

指先から数えて2番目の関節であるPIP関節で起こる脱臼です。

関節包(関節を覆っている袋のようなもの)から骨が外に出てしまう、いわゆるボタン穴脱臼の場合は外から力を加えて治すことは困難です。

治療までの日数がかかると、治療後に指が動かしにくいなどの後遺症を残しやすいので、受傷後早めに治療を開始しなければなりません。

 

突き指したらどうする?

突き指をしたら、まずは安静にすることが大切です。怪我をしている状態で何試合も練習し続けるとそれだけ怪我した場所に負担をかけ、その分治りにくくなってしまいます。

そして、なるべくすぐに冷却することも重要です。氷などがあれば一番いいのですが、無い場合は流水に指をつけるだけでも応急処置としては十分です。

実際応急処理の基本としてRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つの頭文字を取ってRICEという言葉があります。

 

(※最近は必要以上に安静にするとむしろ良くないので、Restの代わりにOptimal Loading(最適な負荷)を加えたPOLICEという概念もありますが、リハビリ程度に動かすことの重要さを言っているだけなので、すぐにかるたの試合をしても大丈夫というわけでなありません!)

 

 

たかが「突き指」と思うかもしれませんが、突き指を放置していると後遺症が残って今後のかるた生活に悪影響を与える可能性もあります。

怪我をしたら大丈夫だと判断せずに、専門の整形外科を受診してくださいね!