競技規程細則の変更内容について(2019年4月変更分)

2019年4月26日に全日本かるた協会から以下のように通達がありました↓

「競技規程細則」第二十三条(お手つき)第二項を以下の様に改めるとともに、補足を削 除します。 有効手が一方の陣の札に触れたままその札が他方の陣に入り他方の陣の札と接触した 場合でも、有効手が他方の陣の札に触れていなければ他方の陣はお手つきとしない。 令和元年5月1日より適用とします(添付資料参照)。 近々、協会ホームページの「競技規程細則」も差替える予定です。

つまりルールのマイナー変更があったということです。

ちなみにこの変更は令和元年5月1日から適用されるということなので、すでにこの新ルールに則って競技が行われています。

現役選手の人はもう各練習会などで知らされているので知っているかとは思いますが、最近練習会に参加していない人やイマイチ変更内容がピンと来なかったという初心者の方もいると思いますので、遅くなりましたが今回の改定内容について簡単にご紹介したいと思います!

 

今回変更された内容

今回変更されたのは競技規程細則第二十三条二(お手つき)です↓

 

<変更前>

有効手が一方の陣の札に触れたままその札が他方の陣に入り他方の陣の札と接触した場合で、有効手と札との接触部分が他方の陣に入っていた場合には、他方の陣の札にも触ったこととしてお手つきとする。

[補足]

○どちらの陣にも出札がなかった場合は、双方の陣でお手つきをしたことになる。

なお、他方の陣の札については、札直接の取りや札押しの取りが成立していなければ、取りとはみなされない

 

<変更後(2019年5月1日から)>

有効手が一方の陣の札に触れたままその札が他方の陣に入り他方の陣の札と接触した場合でも、有効手が他方の陣の札に触れていなければ他方の陣はお手つきとしない。

[補足]

補足は削除

 

つまりどういうこと??

条文のままだと表現が堅くて良く分かりにくいという人もいると思うので、簡単に説明していきたいと思います!

このルールは主に出札が上段にあった場合を想定しています。

 

<変更前>

変更前のルールでは「一方の陣の札を触ったまま、反対側の陣に札を引きずり、札で反対の陣の札を押してしまうとお手つき」というルールでした。

上の図のように札に触れたまま反対の陣に入り、自分が押している札が反対の陣の札と当たってしまうとお手つきとなるのです。

つまり、直接反対の陣の札に手が触っていなくても、札押しによってお手つきとなってしまうということです。

なお、この時札と手が当たっている場所(多くの場合は指先ということになると思います)が反対の陣に入っていなければお手つきとはカウントされませんでした。

 

<変更後(2019年5月1日から)>

一方改定後のルールでは「先ほどのように、札に触れたまま反対の陣の札を押してしまっても、直接反対の陣の札を触らなければお手つきとはならない」という内容に改定されました。

つまり、手つきとなるのは直接触れた場合のみとなり、今までのように札押しによるお手つきは発生しないということです↓

このルール変更で何が変わるのか?

まあ普通の取り方をしていれば、上段の札に触れたまま反対の陣に入るということはまず無いと思うので、それほどルールの改定によって大きな変化はないと思います。

ただ、今まで上段間の札押しによりお手つきとなってしまっていた人は、今後はその心配がないため、少し上段の札を取りやすくなるのかなと思います。(札を根こそぎ持っていくようなパワー系の選手に多い取り方だと思います。)

ルール改定の目的は正直よくわからないのですが、もともとこのルールは文面だと正直分かりにくい内容でしたし、ルールの認識の違いはモメの原因にもなりますから、より初心者にも分かりやすいルールになったのかなと個人的には思っています。

 

こんなケースがあり得る??

最後に蛇足ではありますが、今回のルール改定でどうなるのかな?と思ったケースを1つご紹介します。

下の図のように「きみは(きみがためは)」と「きり」が相手陣と自陣に分かれています。

「きみ…」と詠まれた時点で自陣の「きり」にお手つきをしてしまったとします。

(実際「きみ」と「きり」は音が似ているので間違えやすい札の1つです。)

その時点では相手陣にある「きみがためは」が詠まれるのか、それとも空札の「きみがためお」が詠まれるのかは当然分かりません。

しかし、上段から上段に札を引きずって押す(直接は触らない)のがお手つきにならないとしたら、今触ってしまった「きり」を使って「きみがためは」を札押しすることがOKということになります。

空札の「きみがためお」が詠まれたとしても相手陣はお手つきとはならないので問題なし、出札の「きみがためは」が詠まれた場合は札押しをしているので取りということになります。(多分…)

(1)同じ音で始まる決まり字の長さの異なる札、(2)上段どうし、(3)先に短い決まり字の札でお手つき

という特殊な状況でないと発生しない稀なパターンではあると思いますが、こんなこともあるのかなーと思いましたので、一応書いておきました。

 

まとめ

今回は2019年5月から改定された新ルールについてご紹介しました。

今までと異なり、上段間などでの札押しは今後はお手つきにならないという変更でした。

疑問や間違っている点などがございましたら、お気軽にコメント欄、Twitterなどでお伝えください!(^∇^)