競技かるたの札の並べ方

競技かるたの札の並べ方には決まりがある!

「かるた」といえば、百枚の札がランダムに置かれたものを取りあう散らし取りを想像すると思いますが、競技かるたは置き方に決まりがあります。

競技かるたについて知りたい、家で練習したいというときに参考にしてください。

 

札を置ける位置は?

まずは、自陣で札の置ける位置を確認しておきましょう。

(一社)全日本かるた協会 競技規程細則第七条によれば、

「横八十七センチメートル、上中下段の間に各一センチメートルをあけて縦に札三枚が並ぶ範囲」が自陣の範囲だと分かります。 まだ、札の配置については、第九条に「競技者は、持札全てを表向きにし、文字を自己の方に向け、重ねず、整然と各々の陣の任意の位置に並べる。ただし、上中下の各段にまたがって並べてはならない。」と書いてあります。 つまり、横87cm、縦札3枚分+2cmの間の、上・中・下段にまたがらないような場所なら置いて良いということですね!また、「一ミリメートルでも間違えば違反になるというものではないが、日頃より、その長さがどの程度のものかは確認しておくべきである」とも書いているので、数ミリの誤差は容認されます。ただし、「文字を自分に向ける」「重ねない」という条件が付いています。後に挙げる実際の写真で見てもらうと分かりやすいかと思います。 ちなみに、相手の陣(相手陣)は、自陣の上段から3cm開けて、自陣と同じように作っていきます。相手の陣なのですから、文字が相手に向くように並べなければいけません。 以下の写真は自陣のみ写してあります。  

悪い例

①上・中・下段の各段にまたがっている。
②札の文字が自分に向いてない。 ③重なっている。 この3つのうち、どれか1つでも当てはまるような配置は禁止です。 どの3つも大げさな配置にしましたが、自陣の25枚のうち1枚でもどれかに当てはまっているといけません。  

良い例

基本的な置き方は以下のようになります。左右の上・中・下段になるべく枚数が均等になるようにして、左右の競技線に沿うように並べます。
札と札の間が離れる(選手は「浮く」という言葉で表現します)ような置き方も大丈夫です。 極端にするとこういう置き方も可能だということになります。 他にも全て片方に寄せる、という並べ方も規程には反していませんが、絶対やめたほうがいいです。この並べ方をしていると競技かるたの上達は厳しいでしょう。 今挙げた例の中で最もオススメなのは一番最初に挙げた例です。ただ、上段は有効手からの距離が遠いため、上段の札の枚数は少なめになっていることがほとんどです。 自陣と相手陣を合わせて、よく見る配置はこのような感じですね。 ※ちなみに、今までの写真は蝉丸(サイト管理者)の定位置ではありません!ランダムに札を置いているので、参考にはしないでくださいねー。

 

畳の目を活用するのもOK!

先ほど挙げた(一社)全日本かるた協会 競技規程細則第七条によれば、「畳目に合わせて札を並べる場合には、双方の上段の競技線の間は三センチメートルより多少広くはなるが、畳目三目あけてと解釈する。」とあるので、畳を横長に使った場合、1cm=畳目1目という解釈をしても良いということになります。

実際の写真だとこんな感じです。

1cm=畳目1目という解釈は練習や大会でもよく使われる解釈です。自分と相手の考える1cmに誤差が出ないので、お互いが納得して畳目を使えます。ただし、「明らかに畳目一目が一・五センチメートル以上の場合はこの限りではない」とあるので、畳目1目が明らかに長いと感じた場合は、自分で1cmを測るしかありません。

あとは、畳を縦長に使う場合も自分で縦の長さを測るしかないでしょう。

実際には以下のようになります。

 

縦1cm=指一本の幅と考える

では、畳の目が使えないとき、選手は1cmをどう計っているのか気になりますよね!

多くの選手は、指一本の幅を1cmとして縦の幅を決めていることが多いです。とはいっても、選手によって指の幅が違うのでどうしても誤差は出てしまうんですけどね。自分の手が大きい、指の幅が明らかに太いと思う人は、どの指なら1cmに最も近いか確認しておくといいでしょう。

しかし、横の87cmは指を87本並べて…というのは無理ですよね!

横を測る方法は次のようになります。

 

横87cmは腕で測る

そもそもですが、なんで横は87cmという微妙な長さなのか気になりますよね。

これは、畳を縦長に見たときの幅の長さに合わせているんです。しかし、幅も畳によって違うので、陣の横の長さも自分なりの尺度を持ち合わせていないといけません。

でも、自分の身体で87センチに近い部分ってないですよね。ましてや試合に、足なんかで横の長さを測るのは相手に大変失礼ですし。

ということで、選手は87cmを腕で作って測るようにしています。

腕で87cmを作る方法は選手によって様々です。

オーソドックスなのは、手先から肘の部分を畳につけて、肘を中心にして180℃回転させて測る方法です。練習会場などで選手がしている様子を見てもらうと一番分かりやすいかと思いますが、一応蝉丸(サイト管理人)の中途半端な画力で図示します。

肘を畳につけながら手先から肘の部分を180℃回転させると、手先から肘の部分2つ分の長さが取れると思います。大人であればその手先から肘の部分2つ分の長さが87cmを超えるか、同じぐらいになるはずです。

87cmにより近づけるために、五本の指のどれかを使って長さの微調整をします。

これも選手によって様々なのですが、「人差し指から肘までの長さ二つ分」という人もいれば、「中指から肘までの長さと、180℃回転したあとの肘から小指第二関節までの長さ」という人もいます。

逆に、女性や子どもであれば手先から肘の長さ2つ分では87cmに少し満たない、またはだいぶ満たないという人もいると思います。その場合は札も使って87cmを測ります。

例えば、「中指から肘までの長さと、180℃回転したあとの人差し指から肘までの長さと札二枚分」というようにします。

始めたばかりの頃は経験者に横の長さを決めてもらい、その長さに従って置いておけば大丈夫です。「横の長さを自分で測らないで相手が測ったものを利用するなんて卑怯だ!」なんてことを思う人は全くいないはずので安心してください。

試合の流れに慣れてきたら、家でメジャーで87cmを測り、どうやって自分の腕からその長さを作り出すか考えると良いでしょう。

以下の図のような測り方をする人もいます。

両手の指を合わせ、その状態で畳に肘をつけることで87cmを作り出す方法です。

これはどの指とどの指を合わせながら両肘をつくかで長さを調整します。

蝉丸(サイト管理人)は一番目の方法でいつもやるので、こちらの方法の詳しい測り方は分からないのです…ごめんなさい!ですがご参考までに紹介しておきます。

ちなみに、87cmは札の横幅だと13枚と半分ぐらいです!自分の測った長さが合ってるかすぐに確認したい時に便利です。

これも余談ですが、名人戦やクイーン戦ではそれぞれの陣の縦・横の長さに色がつけられている畳が使用されています!名人戦やクイーン戦の選手たちが陣の長さを測っている様子が見られないのはこういった理由なんですね。

 

測り方が分かれば家でも練習できる!

かるたあるあるですが、かるたを始めると今まであまり行くことのなかった家の和室や祖父母の家の和室に行って払いの練習や一人取りをし始めます。

家になんていい練習場があるんだ!と思います。プライベート畳ですからね( ´ ▽ ` )

陣の縦・横の長さの測り方が分かれば、そんな家での練習もできます。

まずは自分なりの、陣の横の長さの測り方を見つけてくださいね!