【暗記時間】15分間で正確に札を覚える方法
競技かるたで勝つためには様々な要素が必要です。
素早く札を取るための払い、長い札をしっかり取る囲い、戦いを有利にするための送り札……
などなど
しかし、かるたの試合で勝つために一番大事な要素は「暗記」です!
どんなに綺麗に払うことができても、戦術が良くても、暗記がしっかりとしていなければ札に反応することができないため、試合で勝つことはできません。
そのため、競技かるたの試合では必ず試合前に「暗記時間」という「札を覚えるための時間」があります。
暗記時間は15分間で、そのうち最後の2分間は素振りをすることができます。
http://karuta-doujou.com/basic/annkijikanntoha/
もちろん暗記時間には札を取ることはありませんので、ある意味試合中ではない時間かもしれません。
しかし、この暗記時間が試合の結果を大きく左右するという意味では、試合をしている時間以上に大切な時間です。
ところが、「暗記時間の暗記」は頭の中の世界であり説明が難しいことから、初心者に対して十分に指導が行われないことも多く、その結果なかなか上達しない人もいます。
そこで今回は主に無段の方や初心者の方に向けて、暗記時間中の暗記の仕方を説明していこうと思います!
(1) 札を並べ終わったらまず全体を1度チェック!
自陣の札を25枚並べ終わったら早速暗記を始めていきましょう!
まずは上の図のように全体をバーっと確認していきましょう。
順番はあくまでも1例なので、どういう流れで確認してもOKです。ただ、確認漏れを防ぐためにも自分の中にマイルールを持っていた方がいいと思います。
(ちなみに自陣から確認しているのは、自分が相手より先に並べ終わった場合に相手が並べ終わるのを待つことなく、先に暗記を始めることができるという利点からです。)
この時に、1枚1枚にゆっくり時間をかけて正確に覚えようとする必要はありません。
札落とし(札流し)と同じくらいの速さで軽く確認しましょう。
(2) むすめふさほせ順でチェックしよう!
先ほどのステップで何となくどの札がどこにあるのか覚えました。
ここからはより正確に、かつ実践的に暗記していきます。
まず最初に「むすめふさほせ」順に暗記していきましょう。
<参考: むすめふさほせ順> 1枚札 : むすめふさほせ 2枚札 : うつしもゆ 3枚札 : いちひき 4枚札 : はやよか 5枚札 : み 6枚札 : たこ 7枚札 : わお 8枚札 : な 16枚札: あ
まず最初に「むすめふさほせ」の札、次に「うつしもゆ」の札、さらに「いちひき」の札、、、最後に「あ」で始まる札という感じです。
それぞれの音で始まる札がどこにあるのか、チェックしていきましょう。
例えば「いちひき」の「ひ」札をチェックする場合↓
「ひさ」は相手陣の左下段にあるな、「ひとは」は自陣の右上段、「ひとも」は無いな
という様に覚えていきます。
同じ音から始まる札を一緒に覚える(札と札を結んで星座の様なイメージ)ことで、より簡単に、しっかりと暗記することができると思います。
(3) もう一度全体をチェック!
むすめふさほせ順の確認が終わったら、(1) と同じようにもう一度全体をチェックしてみましょう。
この時に、(2) のむすめふさほせ順の時に確認出来てなかった札がなかったか確認します。
もし、確認しそびれていた札があった場合はここでしっかりと頭に叩き込みましょう。
この作業を入れることで暗記の漏れを防ぐことができます。
(4) あいうえお順にチェックしよう!
むすめさほせ順にチェックしたら、次はあいうえお順にチェックしていきましょう!
むすめふさほせ順に何度も繰り返してももちろんOKなのですが、別の順番でやることで、違う角度から暗記することができ、より暗記の精度が高まると私は考えています。
(何回も同じパターンで暗記していると飽きてしまうので変化をつけるのが大事なのです!)
先ほどと同様に、その音から始まる札を確認していきましょう。
あ札やな札など枚数が多い札は難しいかもしれませんが、枚数の少ない札は「み」と言われたら「み」から始まる札をすぐに全部指差せる(あるいは光って見える)くらいまで暗記していきましょう。
(5) 何度でもチェックしよう!
ここまで「むすめふさほせ」順、「あいうえお」順に確認してきました。
もうほとんどの札は暗記できているのではないかと思います。
有段者など上級者ではこのくらいまで暗記ができてきたら席を立ち、休憩する人も少なくありません。
席を立つことで、頭をスッキリさせたり、逆に試合へのモチベーションを高めたり、と色々な目的があることと思います。
しかし、初心者のうちはなるべく席は立たず、15分間をフルに使って覚えることをおすすめします。
自分では十分と思っていても、まだまだ覚え足りていないかもしれませんし、相手が格上の場合には暗記が十分にできていないのに席を立つのは失礼かもしれないからです。
このタイミングで行うべき暗記は以下のパターンがあります。
- もう一度「むすめふさほせ」順で暗記
- もう一度「あいうえお」順で暗記
- 「むすめふさほせ」の逆順(「あ」から)で暗記
- 「あいうえの」の逆順(「わ」から)で暗記
- 頭の中でランダムに詠んで暗記
- 敵陣の攻めたい札を中心にチェック
この中で自分にあった方法で暗記してみてください。
時間の許す限り何周でも覚えて、詠まれた時に手が出る様にしましょう!
(6) 2分前になったら
暗記時間が残り2分になったら素振りをすることができます。
素振りをするのが恥ずかしいという人も中にはいるかもしれませんが、暗記をより定着させるためにも、体の準備運動のためにも素振りはしっかりやることをオススメします。
場にある札を「むすめふさほせ」順に頭の中で詠み、その場所を素振りしましょう。
頭の中の詠みと連動させて動くことで、本番に詠まれた時も体が動きやすくなります。
あとは自信を持って、試合に臨むだけです!
まとめ
今回ご紹介した暗記時間の暗記方法についてまとめてみました。
最初のうちは札を確認するスピードが遅いので、なかなか15分間では満足に覚えることができず、途中で暗記時間が終了してしまうかもしれません。
しかし、慣れてくるとどんどん暗記は早くなり、それと共に試合でも勝てるようになってくると思います。
また、暗記の方法は人によって向き不向きがあると思うので、ここで紹介したものを参考にしつつ、練習を重ねる中で自分にあった方法を探してみてくださいね!
暗記力をどんどん高めて、実力を上げていきましょう〜!☆彡